日本の家屋は海外に比べて敷地面積が狭い為、階段も海外に比べて省スペースで設計されている場合が多いです。
生活空間である部屋の数や広さを優先した結果、狭くて急勾配になってしまった階段は、若くて元気なうちは問題がなくても、加齢や事故、病気等で身体が不自由になると上り下りに支障が出てきます。
既存の階段の改修工事をする上で留意すべき点は以下の通りです。
形状については、踏み面(足を載せる面)の寸法が内側と外側で異なる回り階段は段の踏み外しの危険性がある為、避けるようにします。
勾配のきつい直線階段は転落の際に一気に下まで落ちてしまう危険性がある為、途中に踊り場を設けたり折り返し階段にしたりします。
滑りの防止のためには滑り止めが有効ですが、足を引きずって上り下りされる方の場合、かえって躓きや引っ掛かりの危険性がある為、注意が必要です。
また、つま先が引っ掛かったり杖や足が落ち込んだりする可能性がある為、段鼻(階段の踏み板の先端部分)がつきだしていたり蹴込み板(踏み板と踏み板との間の垂直部分の板)のなかったりする階段は避けるようにします。
階段状の手すりについては、手で握って滑らせやすい丸型(直径32~35mm)のものをご使用者様の手首の高さ付近の位置につけるのが一般的です。
手すりの取付部分が袖に引っかからないよう設置方法にも気を付けます。
寸法については、杖をついたり介助者が必要になったり階段昇降機を設置したりすることを考えると階段幅は90cm以上あるのが理想です。
バリアフリー関連法で示される上り下りのしやすい緩勾配な階段の目安としては、蹴上げが16cm以下、踏み面が30cm以上、蹴込みが2cm以下ですが、日本の一般住宅ですとスペースを確保するのが非常に難しいです。
既存の階段を上り下りのしやすい階段にリフォームしたい場合の工事費用は、階段の元の形状・材質やご使用者様のお身体の状況、住宅の構造や間取りによって大きく異なります。
勾配を緩やかにする工事のみの場合、目安としては50万円程度からのようです。
勾配を緩くするためには現状よりも広く階段周りの空間が必要となりますが、どうしてもスペースが確保できない場合は、いす式階段昇降機などを設置して機械で昇降することも選択肢の一つです。
ただし、急勾配の階段で曲り部分のある階段の場合は、レールの曲げ加工が国内製品では難しいことがあるので、海外製品の設置になってしまう場合があり、金額が高くなってしまったり設置自体ができなかったりすることもあります。
マイクロエレベーターではお客様のお住まいに合わせたいす式階段昇降機の設計・見積・設置が可能です。
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