コラム

2025.06.27

2階へ上がるための3つの選択肢をご紹介!

 日本の戸建て住宅のうち2階以上の割合は80%を超えております。さらに日当たり・風通しの良さ、プライバシーの保護を理由に居住スペースを2階にする住居も多くございます。ですが、加齢や事故等により階段で2階へ上がることが困難になった場合、さらに1階への居住スペース移行が困難な場合にどのような選択肢があるか、ご紹介をさせていただきます。




1.ホームエレベーターの設置
上下階の移動手段として最もイメージしやすいものがホームエレベーターかと思います。
・メリット :車いすのまま昇降が可能。介助の方も一緒に昇降が可能。
・デメリット:費用が高い。設置条件(建築確認の許可、強度計算、設置スペースの確保など)が厳しい。

利用者および介助者の手間が最も少なく便利ではありますが、費用が高く、特に既存の建築物に設置する場合には、建ぺい率や容積率、建築確認検査済証の提出など建築基準法上の制限を満たすことが条件となります。ホームエレベーターを設置することを想定して住宅を設計されているケースは少ないため、設置自体ができないことが多くございます。



2.階段昇降機の設置(車いす用、可搬式、いす式)
階段昇降機は、大きく分けて3種類あります。

(1)車いす用階段昇降機
メリット:車いすのまま昇降が可能。
デメリット:階段幅が必要。レールが階段に常設されるため、邪魔になる場合がある。

ホームエレベーターよりは安価ですが、比較的費用は高め。
階段上にレールを固定して車いすが乗り込める「かご」がレール上を行き来する昇降機です。名前の通り車いすのまま階段昇降が可能で、屋内外、階段の直線曲線も問題なく設置が可能です。ですが当然車いすがそのまま乗るためのプラットフォームが必要となるため、階段幅が広くなければ設置が難しいです。また固定されたレールが常設されるため邪魔に感じる場合がございます。

(2) 可搬式階段昇降機
メリット:車いすのまま昇降が可能。介護保険レンタルの対象。
デメリット:専用の車いすに乗る必要がある。人によっては恐怖を感じる。

車いすと昇降機が一体となったものです。こちらは介護保険でのレンタルが可能となっております(資格取得などいくつか条件がございます)。デメリットとして階段正面を向いて昇降をするため、利用者の方の心理的恐怖感があることや死亡事故の発生など安全面に不安が残る部分がございます。

(3)いす式階段昇降機
メリット:多くの階段に設置が可能。他の手段と比較すると安価。
デメリット:車いすからの移乗が必要。レールが階段に常設されるため、邪魔になる場合がある。

階段上にレールを固定して「椅子」がレール上を行き来する昇降機になります。階段昇降の手段の中では比較的安価なものとなります。屋内外、階段の直線曲線も問題なく設置が可能で多くの階段に対応することができます。デメリットとしては車いすから移乗の手間があることと、床に固定レールが常設されるため邪魔に感じる場合がございます。


3.段差解消機(チェーンウェイター)


従来の段差解消機は地面から1階までの昇降目的が主でしたが、最近では1階から2階への昇降に対応できるものも登場しています。
メリット:ホームエレベーターよりも価格が安く、設置条件が容易。
デメリット:階段昇降機よりは高価。導入事例が少ない。

(株)CHAIN WAITERが開発した新しい段差解消機は、ホームエレベーター同様、車いすの方と介助者の2名で乗ることができるタイプもあります。チェーンウェイターはホームエレベーターと比べ、必要な建築工事が少ないのが最大の特徴です。ホームエレベーターの場合、昇降路(床下ピット1000mm以上、オーバーヘッド2000mm以上)が必要となり、既存住宅に設置することはほぼできないのが現状です。チェーンウェイターはホームエレベーターに比べると、必要な建築工事は小規模になります。(床下420mmの確保は必要ですが、機械自体で自立するため昇降路は必要ありません。)

トータルでかかる費用は、ホームエレベーターに比べてお安くなります。


ご紹介した3つの選択肢には、それぞれメリット・デメリットがあります。ご家庭の状況に合わせてご選択いただければと思います。
ご購入をご検討されている方は、ぜひマイクロエレベーターまでお問い合わせください!